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カテゴリ:血小板・凝固
  • 【 出血傾向 】
    [ 2009-10-23 00:00 ]
  • 【 PT 】
    [ 2009-10-06 12:55 ]
  • 【 APTT 】
    [ 2009-10-05 15:34 ]
  • 【 DIC 】
    [ 2009-10-02 13:41 ]
【 出血傾向 】
「血が止まらない…。」

「青あざができてしまい、なかなか消えない…。」

「関節が腫れて痛む…。」

などの症状は「出血傾向」かもしれません。

出血傾向=正常の止血機構(下図)に破綻が生じるか、あるいは過剰な刺激によって正常に止血が出来なくなる状態のこと。



そういった症状で病院を受診すると多くの場合、血液検査を受けることになり結果とともに血液内科に紹介されます。

ちらっとちらっと紹介状を見ながら、僕達が問診したいポイントは以下のようなことです。

頭の中=血管・血小板系の異常なのか?、凝固系・線溶系の異常なのか?を考えています。

①生まれたばっかりで臍帯からの出血がとまらない場合→フィブリノゲン欠損症、XIII因子欠損症、α2-PI欠損症など

②血小板機能異常症の場合→乳児期など比較的早い時期から出血傾向が出現する

③凝固系異常の場合→「はいはい」した後のひざ部分など、少し遅れて気づかれる

④圧迫止血が有効なの場合→血管・血小板系異常>凝固・線溶系の異常が多い。

⑤出血部位→皮膚・粘膜なら血管・血小板系の異常?、関節内など深部出血→凝固・線溶系の異常?

⑥DICなどは基礎疾患を精査することから始まる。



by chikara_home | 2009-10-23 00:00 | 血小板・凝固
【 PT 】
プロトロンビン時間(prothrombin time:PT)が延長していると相談を受けた….

概念的には,凝固第VII、X、V、II(プロトロンビン)、I(フィブリノゲン)因子の活性が低下している場合。

基準値:血液が凝固するまでの時間が、10~13秒なら正常。

検査結果の判定:15秒以上かかると明らかに異常で、まず第Ⅶ因子欠乏異常症などの先天的な病気が考えられる。また、血液凝固因子のうち第Ⅷ因子を除く全ての因子は肝臓でつくられているので、肝炎や肝硬変など肝細胞障害の疑いもあり、さらに、心不全、悪性腫瘍、ビタミンK欠乏症、プロトロンビン欠乏症(血液凝固に異常のある病気)などでも凝固時間の延長がみられる。


たとえば、ビタミンK欠乏症で、PTが延長する場合…。



(参考:金沢大学血液・呼吸器内科HPより)


PTは VII、X、V、II、I 因子を反映し、APTTは XII、XI、IX、VIII、X、V、II、I 因子を反映している。
そのため半減期の短いVII 因子を反映するPTは、ワーファリン内服によって敏感に延長する。
→APTTもワーファリン内服により延長するが、PTほど敏感ではない。
→ワーファリン内服中のモニタリングに用いているのは、APTTではなくPTということになっている。

ビタミンK依存性凝固因子には、どんなものがあるか?
①凝固第VII、IX、X、II因子
②プロテインC、プロテインSなどの凝固阻止因子
③骨代謝と関連した蛋白であるオステオカルシン


さて、ビタミンK欠乏症では、PTの系において、ビタミンK依存性凝固因子のうち凝固第VII、X、II因子が関連している。この3つの凝固因子活性が低下し、PTが延長する。

なお,進行したビタミンK欠乏症では,APTT(内因系)も延長し始める。(第Ⅸ因子がらみで…)


さて、一つのポイントとして、実はビタミンK依存性凝固因子の半減期は相当に異っている。

第VII因子:半減期1.5~5時間
第IX因子:20~24時間
第X因子:1~2日
第II因子:2.8~4.4日

この中でも、最もポイントとなるのは、第VII因子の半減期が極めて短いということ。
→長くても、わずかに数時間しかないのである。
by chikara_home | 2009-10-06 12:55 | 血小板・凝固
【 APTT 】
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が延長していると相談を受けた….


基準値:血液が凝固するまでの時間が、25~45秒なら正常。

検査結果の判定:基準値より10秒以上延長した場合は、異常とみなすが、採血方法や血漿の取り扱い方などによって測定値が多少変動するため、基準値より延長していたら、採血方法を変えたり、同一検体で再検査してみることも大切。播種性血管内凝固症候群(DIC)では短時間で変動するため、連日検査を行なうこともある。

異常を見つけたら?:活性化部分トロンボプラスチン時間が著しく延長するのは、圧倒的に血友病の場合が多くなる。血友病には第Ⅷ因子が欠乏している血友病Aと、第Ⅸ因子が欠乏している血友病Bとがあり、異常が出たときには、このいずれかを判別するために、凝固因子活性化検査などを行なう。



またAPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)が延長する疾患は多数あるが、注意すべき点は
①出血性疾患だけでなく、血栓性疾患もあること。
②Deficiency(凝固因子の産生低下)だけではなく、Inhibitor(循環抗凝血素)があること。
ということである。




【 APTTが延長する出血性疾患 】
1)血友病A、血友病B(deficiency)
2)von Willebrand病(deficiency)
3)後天性血友病(inhibitor)(第VIII因子インヒビター)
4)ビタミンK欠乏症(deficiency)



【 APTTが延長する血栓性疾患 】
1)ループスアンチコアグラント(inhibitor):抗リン脂質抗体症候群の診断に抗カルジオリピン抗体とともに不可欠です。
2)先天性XII因子欠損症(deficiency)

(注意)原因不明の「APTT延長、血小板数低下」を見たら必ずAPSを疑う!! 血栓症の仲間。





では、これら二方向性のAPTT延長を解釈する良い方法なないだろうか?と考える。

→保険の通っている「クロスミキシング試験」である。

これは後天性血友病(悪性腫瘍や膠原病→Inhibitor産生→APTT延長!!)の際にも重要な検査である。



追記:「グラケー」というビタミンK製剤が、骨粗鬆症の治療薬として知られている。ビタミンKは、血液凝固のみならず骨代謝にも密接に関連している。


by chikara_home | 2009-10-05 15:34 | 血小板・凝固
【 DIC 】
播種性血管内凝固症候群(Disseminated Intravascular Coagulation: DIC )とは、基礎疾患の存在下に全身性かつ持続性の著しい凝固活性化をきたし、全身の主として細小血管内に微小血栓が多発する重篤な病態です。凝固活性化と同時進行的に線溶活性化がみられますが、その程度は基礎疾患により、あるいは症例ごとに相当の差異がみられます。



基礎疾患
 白血病や固形癌→腫瘍細胞から組織因子( Tf )が出てDIC!
 敗血症→単球や血管内皮から組織因子( Tf )が出てDIC!+TMのパワーダウン!




微小血栓多発の結果として、しばしば血小板や凝固因子と言った止血因子が低下します。

このような病態を、消費性凝固障害(consumption coagulopathy)と言います。

この消費性凝固障害と、線溶活性化があいまって出血症状をきたします。


微小血栓が多発した結果として、重要臓器における微小循環が起きますと臓器不全をきたします。
循環障害も目で見てわかるもの(四肢末梢循環不全など)と、目で見て分からないもの(腎糸球体フィブリン沈着など)がありますが、後者の方がより怖いということができるでしょう。

この出血症状と、臓器症状は、DICの二大症状と言われています。



【 DICを見つけるコツ 】~スコアもいいけど…~

● PLT数減少や、Fib低下、FDP上昇はDICを疑うきっかけではある。
→しかし、これはDICの結果を見ているに過ぎない。治療に反映しないぞ。

● トロンビンこそが凝固反応の持続的亢進を決定させる因子ということに注目。
→しかし、トロンビンは半減期の関係で直接測定できない。

● そこでTATに注目してみます!!(そもそもTAT正常なDICなど存在しません。)

● あとは病型分類(凝固が優位?,線溶が優位?)は、PICの増減で分類します。
→ PICが高いということは、プラスミンが沢山出来ているということ。(線溶亢進型DIC!)
→ つまりD-dimerがどんと増え、出血症状が著しくなるということ。



(参考:金沢大学血液・呼吸器内科HPより)



● 実は、PAIも病型分類に使える!!

    線溶抑制状態 : APL < 急性白血病、固形癌 << 敗血症



● 最も大切なことは、どんなにDICの対症療法を実施しても原疾患を治療できなければ予後は不良となること。

→ DICの治療の優先順位としては、①基礎疾患の治療、②抗凝固療法、③補充療法、④抗線溶療法(原則禁忌…)が挙げられる。


① 基礎疾患の治療
全てのDICには必ず基礎疾患が存在する。
どのような症例においても、基礎疾患の治療は最重要である。
急性白血病や進行癌に対する化学療法、敗血症に対する感受性のある抗生剤治療などがこれに相当。


② 抗凝固療法
DICの病態に応じて適切な薬剤を選択しよう。

a. ヘパリン類&アンチトロンビン濃縮製剤
 現在の日本においてDICに対して使用可能なヘパリン類としては、ダナパロイドナトリウム(商品名:オルガラン)、低分子ヘパリン(商品名:フラグミンなど)、未分画ヘパリン(標準ヘパリン)がある。これらのヘパリン類は、いずれもアンチトロンビン(AT)活性を促進させることによって、抗凝固活性を発揮する点で共通しているが、抗Xa/トロンビン(IIa)活性比や、血中半減期に差違がある。これらのヘパリン類の特徴を見極めながら、使い分ける必要がある。
 
 たとえば、オルガランは半減期が長いために、1日2回の静注(1,250単位を、1日2回12時間毎に静注)であっても効果が持続する点が魅力である。この点、慢性DICに対しては最も良い適応となる(患者を24時間持続点滴で拘束する必要がない)。ただし、万一出血の副作用がみられた場合には半減期の長いことがデメリットになる場合がある。また、腎代謝のため、腎機能障害のある症例や低体重の症例では減量して使用すべきである(他のヘパリン類にも当てはまる)

 ヘパリン類は、AT活性が低下した場合は充分な効果が期待できないため、AT濃縮製剤(アンスロビンP、ノイアート、ノンスロン)のいずれかを併用する。保険適応は、AT活性70%以下の症例でAT濃縮製剤を使用することが可能であり、1,500単位/日で3~5日間使用。

 なお、未分画ヘパリンのメリットは、安い!ということぐらい…。

b. 合成プロテアーゼインヒビター
 合成プロテアーゼインヒビター(SPI)は、AT非依存性に抗トロンビン活性を発揮する。代表的薬剤は、メシル酸ナファモスタット(商品名:フサンなど)および、メシル酸ガベキサート(商品名:FOYなど)である。出血の副作用は皆無に近いため、出血の副作用のためにヘパリン類の使用が困難な場合には良い適応となる。 

 フサンは臨床使用量(5mg/kg/日、持続点滴静注:標準的体重の人では150~200mg/24時間)で、抗凝固活性のみならず抗線溶活性も強力であり、線溶亢進型DIC(旧名称:線溶優位型DIC)に対して有効

 FOYは臨床使用量(20~40mg/kg/日、持続点滴静注:標準的体重の人では1,500~2,000 mg/24時間)では抗線溶活性は強くない。

ただし、メシル酸ナファモスタット(フサン)の高カリウム血症の副作用には注意が必要である。
両薬剤ともに静脈炎の副作用があり、中心静脈からの投与が原則である。

c. 遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤
 遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(商品名:リコモジュリン)は、日本で使用されるDIC治療薬の中で、最も質の高い臨床試験において有用性が証明されており、今後最も期待されている薬剤の一つ。


③ 補充療法
 消費性凝固障害のため、血小板や凝固因子の著しい低下のため出血がみられる場合には、補充療法を行う。

 血小板の補充目的としては濃厚血小板(PC)、凝固因子の補充目的としては新鮮凍結血漿(FFP)を用いる。通常、PCは血小板数2万/μL程度以上に維持されることを目安に輸注される(10~20単位/1回 必要があれば経日的に繰り返す)。

 FFPは、フィブリノゲン100mg/dl未満またはPT比1.7以上になるような症例では必要になることが多い(5単位程度/1回 必要があれば経日的に繰り返す)。


④ 抗線溶療法
 DICにおける線溶活性化は、微小血栓を溶解しようとする生体の防御反応の側面もあり抗線溶療法は原則禁忌である。

 また、急性前骨髄球性白血病において、ATRAによる分化誘導療法を行っている場合も、トラネキサム酸(商品名:トランサミン)を投与すると全身性血栓症を併発して死亡したという報告が多数見られるため、絶対禁忌である。

 ただし、線溶亢進型DIC(旧名称:線溶優位型DIC)の著しい出血例に対して、ヘパリン類併用下にトラネキサム酸を投与すると出血に対してしばしば著効するが、必ず専門家にコンサルトの上で行う必要がある。



by chikara_home | 2009-10-02 13:41 | 血小板・凝固



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